1907年ドイツ北部の小さな町、アインベックハウゼンにて二人の木工職人により創業されたWilkhahn(ウィルクハーン)。創業当初は、その地域で取れるブナを使った家具(猫脚のロマネスク様式の椅子など)を製作しており高い技術を持っていました。
戦後、モダニズムとの出会いから多くのモダンな椅子やテーブルの生産が始まり、バウハウスの思想を受け継いだウィルクハーンは、ウルム造形大学と共同で多くの家具をデザイン・製作。
1960年代頃になるとオフィス家具の需要が増え、オフィスチェアを中心に熱心な研究が行われました。座った時の疲労軽減や健康を考えたメカニズムの開発や機能美を追求し、ドイツ近代デザインのパイオニアとしてその地位を揺るぎないものとしました。1990年には『目先の利益の極大化よりも環境保護を優先する』とした環境宣言を行い、環境マネジメントの専門家ルディガー・ルッツ教授らとともに家具メーカーで初めて独自の包括的エコ・コントロール・システムを構築。
その一環として、太陽光発電や屋上緑化などを取り入れた工場棟の建設が行われました。
2007年に創業100周年を迎えたウィルクハーン。
従来の人間工学に運動学のエッセンスを取り入れた三次元シンクロメカニズム「トリメンション」を独自開発し、2009年にはONチェアを、さらに2015年にはINチェアを発表。
最先端の技術・研究によって生み出される数々の製品は、オフィス環境改善にデザインと機能の両面からアプローチし続けるとともに、世界のプロダクトデザインを牽引し続けています。