ワーキングチェア徹底解剖!スタッフが実際に座ってみて感じたこと、その他に特徴やポイントなどを交えながら解剖していきます。
今回はINチェア編です。
スタッフ小西 : 女性 身長158cm 体重 40~50kg
座るチェア : INチェア
INチェアの徹底解剖を始める前に、まずはこれを見てください。
※音が出ます、ご注意ください
というわけで、INチェアは、現代のオフィスワーカーの慢性的な悪姿勢による危険性を指摘しています。
仕事の効率UPのための健康促進の役割を担って誕生したワーキングチェアなのです。
では、INチェアってどんなチェア?
ウィルクハーンの画期的なメカニズム「トリメンション」を搭載したONチェア。その高い機能はそのままに、カジュアルでスポーティなルックスと高いコストパフォーマンスを実現したモデルとして2016年に発表された(※日本発表年)のがINチェアです。
同じ姿勢で座りっぱなしは✖。自然に身体を動かすことで血流を良くし、酸素を体中に行き渡らせて脳を活性化しようというコンセプトで、デスクワーカーの健康促進を目的としたワーキングチェアです。
解剖前の予備知識 「バウハウス」とは?
ウィルクハーンを語る上で外せないのが「バウハウス」です。
バウハウスとは、1919年にドイツ・ヴァイマルで設立されたデザイン・美術・建築などに関する総合的な教育機関(学校)です。ワルター・グロピウスが初代校長を務め、バルセロナチェアのデザインで有名な建築家ミース・ファン・デル・ローエやマルセル・ブロイヤーらも教壇に立ちました。
「形態は機能に従う」という理念のもと、機能主義・合理主義という考え方の教育で現在のモダンデザインの礎を築きました。
あらゆるものを規格化・数値化・計量化し、機能的で無駄な装飾を無くしたデザイン。これこそがインダストリアル・デザインのみならず、さまざまな芸術分野やカルチャーに世界的な影響を与えてきたドイツデザインの思想なのです。
1933年ナチスにより閉鎖に追い込まれてしまいましたが、現在でも巨匠と呼ばれる多くのデザイナー達を輩出。その後もバウハウスという一つの思想として、現在でも多大な影響を与え続けています。
ウィルクハーンという企業
1907年、北ドイツのハノーバー近郊にある小さな街・アインベックハウゼンで、親戚関係にあった二人の若い木工職人が開いた椅子の工房から歴史は始まります。
終戦後、有名デザイナー達と共に余計な装飾のない新しいスタイル、新たな素材が可能にする造形の実験的なフォルムの椅子を数多く生み出していきます。パートナーシップを組んだのが、バウハウスの理念を受け継いだ後継校として開校したウルム造形大学。その中の一人に、先にも書いたバウハウスの最後の学長ミース・ファン・デル・ローエに学んだヘルベルト・ヒルヒェなども居ました。バウハウスのモダニズムがウィルクハーンに浸透していきます。
1960年代頃から巨大なビル建築が盛んになって、オフィス家具需要が拡大。着座時の疲労軽減と健康に資する製品開発のため、徹底したエルゴノミクスの研究を行い、その成果をデザインに取り入れていきます。
1971年には背と座が連携して動くオートシンクロ機構を世界で初めて搭載した名作チェア「FS-LINE」を発表。現在、世に出回っているワーキングチェアの基礎を創り上げました。
長い伝統と堅実なクラフトマンシップに支えられ、ウィルクハーンは美しさと機能性を兼ね備えた、優れたデザインの製品を世に送り続けています。
最先端エコロジー企業です
「迷いが生じたら、目先の利益より環境保護を優先する」 -1989年当時の代表フリッツ・ハーネの環境宣言より-
1950年代半ばから「デザインの最終目的は、製品寿命を伸ばし、資源の浪費を最小限にすることにある」という原則に即したものづくりを行ってきました。原料調達・加工、製品開発、生産工程、そして輸送やサービス、建物に至るまで、環境負荷を最小にすることを徹底しました。
菜の花畑に囲まれた縫製・椅子張り工場であるパビリオン。この菜の花畑からとれるオイルを使って機械を動かしています。
自然光を有効利用するため特別なガラスが張られた工場は、化学物質を可能な限り排気するベンチレーション・システムを取り入れています。
さらに温暖化防止と雨水を貯蔵するための緑化された屋根が備わっており、まさにエコロジー建築のお手本となっています。
最たる特徴はトリメンション
INチェアに搭載されている最も特徴的なメカニズムであるトリメンション。三次元シンクロメカニとも呼ばれてます。
・・・簡単に言うと、前後だけでなく、左右や斜めなど360度動いて、3Dで身体の動きをサポートすることが可能な機構ということ。
ドイツ国立ケルン体育大学と協働し、5年の歳月を経てウィルクハーンが独自に開発しました。座る人の身体の動きを制限せず、ダイナミックにサポートすることが可能となった、画期的なメカニズムで、世界で初めてONチェアに搭載されました。
INチェアはONチェアのコンセプトを引き継ぎつつも、トリメンション内部のバネを1本化したり、一体フレームの各場所ごとに強度を変える新技術を用いたりしながら、ONよりもコストを落としつつもより滑らかな印象を受けるトリメンションを実現しています。
操作性
座面の上下昇降は右下のレバーで。滑らかです。
アームの高さはアーム裏側のボタンを押しながら上下に。こちらも操作しやすいです。オプションでアームの前後と左右角度調整ができる仕様にも変更可能で、こちらもアームを持って動かすだけという簡単操作。
リクライニングの硬さは座面真下のダイヤルをくるくる。硬くしたいときは「+」へ、やわらかくしたいときには「-」へ回します。回す方向がビジュアルで分かりやすいのがとても助かります。
INチェアには、ほかのウィルクハーン製のチェアにはない、前傾サポート機能がついています。座面左下のレバーで、前傾→水平→水平+リクライニングロックを使い分けることができます。
前傾はレバーを上に。前のめりになって作業するときに座面の傾斜が変わることを実感できます。
キャスターについて
ハードタイプ(カーペット床用)、ソフトタイプ(フローリング・石床用)は当たり前の様にお選び頂けます。またウィルクハーンのキャスターにはこんな機能が。
座っていない時は軽くブレーキがかかっており、座ると荷重で解除され滑りやすくなるんです!(*ドイツ工業規格DIN EN 12529)
ご自宅でもオフィスなどでも、人が座っていないチェアは結構危険です。何かの拍子にぶつかってチェアが滑ってしまい、、、あ”!!ってことになりかねません・・・・安全面でもしっかりと配慮されています。
サポート性
前述したトリメンションのサポート性能は抜群です。
スタッフ小西としては、ONチェアより動きが滑らかでフィット感が高く、女性でもその三次元サポートの効果をしっかりと体感できます。
冒頭のMOVIEのように、♪右斜め後ろ~ 左斜め後ろ~と試してみてください。
楽しく身体を動かしながら、様々な角度でしっかりと身体がサポートされているのを実感できますよ。
デザイン性
スポーティでカジュアルでポップ。それでいてウィルクハーンならではの細くて美しい全体のラインは健在!
親しみやすく、嫌味がなく、シンプルで、すっきりしていて、誰にでも受け入れられるデザインなのではないかと思います。
カラーバリエーション
フレームは黒のポリアミドもしくは、アルミ(艶あり/艶なし/6色のカラー塗装)から選びます。さらに張地は全部で7色。
自分らしい好みのカラーを選んだり、会社なら部署ごとに色を変えたり。
特にレッド/オレンジ/ターコイズ/ライトグレーの4色はフレームと脚を同色で製作することができます。ワーキングチェアではとても珍しいことです。
スタッフ小西のお気に入りカラーはこちら。INならではの軽快でスポーティーなイメージは、昔愛用していた名作スニーカーを思わせます・・・。
張地
背に張られている生地。こちら、フレームが3次元にしなっても、たるみやよれを起こさない、専用の3Dニット生地で、INのために特別に開発されたものです。
スポーツシューズの生地をつくる特殊な機械で編まれており、背もたれの生地は背中の部位それぞれに最適なサポートが提供できるよう、X字型に編み分けられています。
水分を含むことで膨張する特性を持つ繊維でできており、濡らした状態で張り作業を行い、その後乾かすことで立体的な曲線を描くフレームにフィットさせています。これ、結構大変です!
ONチェアとの違いは?
で、結局ONと何が違うのか?というお話。
①見た目がよりスポーティ&カジュアル
②部品パーツを減らすことでコスト削減に成功
③ONよりスムーズな操作性
④サイズバリエーションは1つだけ(ONのように背の高さ違いやヘッドレスト付はありません)
高級感のあるタイプ・革張りがお好きな方や、役員室・社長室・重役会議室にはONを。
自宅でカラフルに使いたい方や、オフィスでスタッフ皆が使うならINを。
そんな風に使い分けて頂ければと思います。
こんな方におすすめ
長時間(8時間~12時間ぐらい)チェアに座って仕事される方
脚を組む癖のある方(←私もです)
運動不足の方
スポーツ用品ブランドやスニーカーが好きな方
小柄な方
まとめ
INチェアはとにかくスムーズで動きやすく、フィット感が抜群です。
見た目の好みは分かれると思いますが、3次元でのサポートがとても心地良く、最先端の技術を搭載しながらコストを抑えられている点も高く評価できると思います。
ゾンビになりたくない方には、ぜひともおすすめな1脚です(笑)
ワーキングチェアの正しい座り方講座
ヤマトヤ・ワイズカーサ 北名古屋本店
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エルゴノミックアドバイザーとは?
あまり聞き慣れない資格ですが、身体に負担をかけないための正しいワークチェアの座り方や、それらワークチェア・デスクなどを用いて効率が上がる仕事環境のプランや働き方などをご提案し、その人が抱えている問題を解決へと導く(エルゴノミックソリューション)専門アドバイザー。
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