デンマークを代表するデザイナー、ハンス J.ウェグナー。「デニッシュモダン」を世界に広める大きな役割を果たし、人々の家具に対する考え方に大きな影響を与えました。
生涯で500脚以上の椅子をデザインしたと言われ、彼がデザインした数多くの名作椅子は今なお世界中で愛されています。
ウェグナーという人物
ハンスJ.ウェグナーは靴職人の息子として1914年デンマーク、トゥナーに生まれました。
家具職人H.F.スタールベアの元で修行し17歳にして家具職人の資格を所得。この工房でウェグナーのデザインへの関心が芽生えました。
家具職人からデザイナーへ
精巧な木工技術と優美フォルムの融合を特徴とするウェグナーの作品。そこには木材への深い造詣と天然素材へのたゆまぬ関心と追求がありました。
ウェグナーの椅子たち
1943年、ウェグナーは自分のデザイン事務所を開設。翌年1944年には中国の椅子にインスピレーションを得た、チャイナチェアシリーズの最初の製品を発表します。
ウェグナーの椅子の中で、日本で最も有名な椅子と言えばCH24(通称Yチェア)です。1949年にデザイン(1950年発表)されたこの椅子の原点もチャイナチェアです。
同時期の1949年、椅子の中の椅子「THE CHAIR(ザ・チェア)」と後に称されることになる椅子が発表されました。1960年、アメリカ大統領選挙のテレビ討論会でケネディ大統領が座っていたことから有名になりました。
ウェグナーは実に多くの椅子を世に送り出してきました。「椅子の巨匠」と呼ばれる彼の椅子は、ルニング賞、大阪国際デザイン賞(1997年)など、優れたデザイナーに与えられるほとんどの賞を受賞しています。
また1995年にはデンマーク芸術院の名誉会員に迎えられたほか、1997年には英国王立芸術院の名誉博士号を授与、また作品はNY近代美術館、ミュンヘンのDie Neue Sammlung 美術館など数多くの美術館に所蔵展示されています。
2007年1月デンマークにて死去しましたが、彼の作品はこれからの時代にも多くの人々に愛され、世界中で生き続けていくことでしょう。