こんにちは。スタッフ中村です。
前篇の今回はデンマークにあるアルネ・ヤコブセンの建築をご紹介します。
SASロイヤルホテルの他にも様々な建築に携わっていました。
ベルビュー地区
1930年代 デザイン:アルネ・ヤコブセン
コペンハーゲン市街の北に位置する海岸沿いのベルビュー地区。ここに開発するリゾート型複合施設のコンペをアルネ・ヤコブセンが見事勝ち取り、総合プロデュースしたのがこのベルビュー地区です。
ベルビューシアター
船をモチーフに、竹素材を要所要所に取り入れるなど当時としては斬新な素材を使っています。
特にこだわったというマホガニーを使った階段の手すりは、持った瞬間手に馴染む感覚。このラインが後のセブンチェアやエッグチェアなどに繋がっているのでしょうね。
シアター横のレストラン
元々は700人規模のレストランでしたが、現在は縮小され、こじんまりとした雰囲気に。オーナーも何度か変わっているらしく、現在はYチェアやイームズ・シェルチェアなどが使われています。
ベラヴィスタ集合住宅
海岸線を望むリゾート集合住宅地。「どの部屋からでも海が望める」がコンセプトでデザインしたそうです。
こちらは戸建て。ちなみに写真左の一番手前の住居はかつてヤコブセンが住んでいたそう。ユダヤ人であったヤコブセンは第二次大戦中スウェーデンに亡命。終戦後デンマークに戻ってきてここに住んでいたそうです。ここでデザインされたのが、名作アントチェア・エッグチェアなど、という説も・・・・・
他にも海水浴場の監視台やシャワーなんかもデザインしています。
テキサコ・ガソリンスタンド
コペンハーゲンからベルビュー地区に向かう途中にあるガソリンスタンド。一度見たら忘れられないその有機的なフォルムが特徴です。
アールをとり白く塗装された屋根。下に仕込んだアッパーライトが屋根裏に反射するよう設計されています。
スレロド市庁舎
1942年 デザイン:アルネ・ヤコブセン
スチールやガラスを使い、どこか工業的な雰囲気を漂わせながらも、木材をふんだんに使い森をイメージしてデザインされた廊下などオーガニックな要素が随所にみられるヤコブセンらしい建築。議場の天井に取り付けられた巨大な反射板が外光を内部に取り入れ、柔らかな光で議場全体を照らしています。
森の回廊にデザインされた反射板を使ったライトももちろんヤコブセンのデザイン。壁と扉の「目地」をあえて合わせていないのも、「ここが扉」と視覚的に認識できるようにだとか。考えられていますよね。