こんにちは。スタッフ中村です。
今回はデンマークで最もな有名なSASロイヤルホテル(現ラディソンブルホテル)をご紹介します。
SASロイヤルホテル
デザイン:アルネ・ヤコブセン
1960年竣工。高い建物がほとんど皆無なデンマーク市街において、22階建て・ガラスと金属を使った一際異彩を放つインターナショナル・ホテル。竣工当時は、街並みの調和を乱すモダンな建物だ!と相当批判を受けたとか・・・・
また当時のアメリカ建築の影響もとても反映されているSASロイヤルホテル。世界的建築家ミース・ファン・デル・ローエがアメリカに亡命していた1930年代、彼を始めとするバウハウスの元で学んだ建築家たちの影響で戦後次々と高層ビルが林立。当時のアルネ・ヤコブセンもミースに多大な影響を受けた人物の一人で、それをデンマークの中心部で実現した建築がSASロイヤルホテルというわけです。
ヤコブセンはホテルの設計だけではなく、中のインテリア、それこそカトラリー、ドアノブに至るまでトータルでデザインを手がけました。
有名なロビー。ここのためにデザインされたのが、「エッグチェア」「スワンチェア」です。
ちなみに。
スワンチェアは実は高層階にあるロイヤルルーム宿泊者限定レストランのラウンジのためにデザインされたチェアなんです。エッグチェアでは高層階からの眺望を邪魔してしまう。そのため、背が低いラウンジチェアをということで、デザインされました。
屋上レストラン
1Fレストラン
会議室などがある2Fには、同じくヤコブセンのデザイン「3300」ソファが。元々はホテルに隣接していたSAS(スカンジナビア・エアライン・システム)ターミナルの待合いソファとしてデザインされました。
現在はターミナルもなく、宿泊者が使えるフィットネスになっています。
ヤコブセン・スイート 606号室
忘れてはいけない、この一部屋。ほとんど当時のまま残っているスイートルーム。
特別に見せて頂きました!
ブルーグリーンを基調とした室内には、エッグチェア、スワンチェア、3300ソファ、そして化粧台用にデザインされたドロップチェアが。
化粧板として使われているウェンジ材は、色が抜けてまるでチーク材のような輝きを放っています。
こちらに仕込まれたライトは可動式で、好きな位置に動かすことができます。
う~ん、時代を超えて、とはまさにこれのこと。一生忘れません(涙)
ハイメ・アジョンが手がけた 506号室
昨年、ドロップチェアの復刻を記念し、フリッツ・ハンセンでもファウンソファやアナログテーブルなどを手がけるハイメ・アジョンが、506号室を新たにデザイン。なんと、こちらも見せて頂けました!
ファウンソファ、Roチェア、特注のアナログテーブルに、ヤコブセンへの敬意も込めたドロップチェア。
大胆なアートが部屋に華やかさを与えています。
そんなSASロイヤルの屋上から見るデンマーク市街は、こりゃまた絶景。。。
最後に。私が泊まった部屋。
半世紀以上の時を超えてなお、まるで昨日デザインされたかのように色褪せないフリッツ・ハンセンの家具。
これから先、30年後も50年後も、流行廃り無く、当たり前のように生活に溶け込んでくれる家具だと、実際に肌で感じて改めて思いました。
ちなみに、SASロイヤルホテルは来年、606号室を除いて全面改装されるそうです。
どんな内装になるのか楽しみですね!